先日、別記事で、神宮球場のダイナミックプライシングについて分析したところ、非常に多数の方からのアクセスを頂き、注目度の高さを感じました。
この時の記事では、ダイナミックプライシングの概要の紹介と、発売後(3週間程度)どの程度上がるかにスポットを当て、定点観測していました。
今回の記事では、価格が変動する「タイミング」にスポットを当て、阪神タイガース戦、6月末のカード(3連戦)の価格を定点観測したものを記載していきます。
チケット購入の際の参考になれば、幸いです。
6月末のカードの発売概要
この記事では、球団のチケット直販サイト「スワチケ」の実際の価格を基に、ご紹介していきます。
前回の記事でもご紹介した通り、神宮球場のチケット初期価格は、対戦カードや需要に応じて、予め3つのカテゴリーに分けられていますが、6/28-30の3連戦については、「スタンダード」カテゴリーの扱いとなっていました。
また、発売開始タイミングは、ファンクラブ(有料)のランクに応じて、5/26~30の間、先行販売が行われ、次に、5/31の11:00から「スワチケ」の無料会員の先行受付がありました。
一般のプレイガイドでの発売は、6/1からでしたので、無料会員でも、1日のアドバンテージがあったわけです。
ファンクラブ及び「スワチケ」の内容については、下記の記事をご覧くださいね。
6月末のカードの価格推移
ブログ主は、「スワチケ」の無料会員に入っています。
先行受付開始の5/31(一般発売の1日前)からの価格推移について、記録しましたので、ご紹介します。
下記の表の見方をご紹介します。
①5/30の12:30頃の価格
有料会員対象の先行受付の最終日の昼頃の状況です。
②5/31の10:30頃の価格
無料会員対象の先行受付開始30分前頃の状況です。
③6/1の0:00頃の価格と残席状況
②の無料会員の予約が一段落した頃(一般発売前)の状況です。
④6/2の13:00頃の価格と残席状況
一般発売開始から約1日経過した頃の状況です。
⑤6/5の7:30頃の価格と残席状況
では、まず、6/28(金)のチケットの状況をみてみましょう。

ここでは、以下のことが読み取れるかと思います。
◆一般発売前(①~③の期間)は、4月分の先行販売の際は、全て初期価格のままだったが、今回は若干上昇している。但し、ネット裏やSS等の一部の席を除いては、何れも上がり幅が少なく、特に外野席は全く上がっていない。
◆一般発売前は、ホーム・ビジターの価格差が少ない。
◆スワチケ無料会員向けの発売開始から一般発売前まで(②→③)の間は、価格が変動していない。
◆一般発売後、価格の変動が顕著になり、ホームとビジターの格差も出てくる。
(ピンク色と黄色の網掛けの意味合いは、後ほど纏めてご説明します。)
では、同様に、6/29(土)と6/30(日)の状況も、見ておきましょう。


ここで、ピンク色と黄色の網掛け部分の意味合いについて、触れておきます。
(1)ピンク色部は、前回調査の時に完売「×」となっていたにもかかわらず、その後、価格が上昇した座席です。
【仮説①】一般のプレイガイドで別途確保されていた席の一般発売の価格に合わせて、変動している。
【仮説②】売行きの良くないホーム側の座席の価格を相対的に安く見せるため、ビジター側の販売終了後の価格を意図的に上げている。
(この現象(ピンク色網掛け)が起きている座席の大半は、ビジター側の座席です)
(2)黄色部は、前回調査の時より残席状況が改善した座席です。(×→△、△→〇、×→〇)
【仮説①】一般のプレイガイドの売れ行きが芳しくなく、「スワチケ」に振り分けた。
【仮説②】元々、価格を上げることを目的に、一旦早期の販売を抑制していた。
(この現象(黄色網掛け)が起きている座席の大半は、需要の高い土日のビジター側の座席です)
→これが原因ではないことを願うばかりですが。。
上記は、あくまで「仮説」ですが、一般消費者としては、やはり理解しづらい変動だと感じざるを得ません。
取りたい席を少しでも安く購入するには
今回の調査で、世間一般で取り沙汰されている「ダイナミックプライシングでの極端な価格設定」は、主に一般発売後に顕著になっていく現象だということが確認できました。
そして、その極端な価格が、格好のマスコミネタになり、クローズアップされ、騒がれているようにみえます。
当ブログは、特に現地観戦に不慣れな方に、観戦に役立つ情報を提供することが狙いです。
その観点では、取りたい席を、少しでも安く購入する方法として、最初にもご紹介した「スワチケ無料会員」のシステムは、肌感覚ですが、ビジターファンの間でも、かなり浸透してきているようですので、未登録の方は、登録されて損はないと思われます。
実際に、一般発売より1日のアドバンテージがあり、上の表の通り、先行発売期間中は、価格変動がなく、初期価格からの上昇幅もさほど大きくはなく、ホーム/ビジターの不公平感も少ないです。
一方で、ネットの記事で、この一連の話題に対する球団の営業担当者の談話として、「早く買えばそこまで高くない」と、ホクホク顔だ・・という内容のものをみかけましたが、これが真実であれば、少し違和感を感じざるを得ません。
何故かというと、世間一般には、シフト勤務で先々の予定の見えないファンの方も多数いらっしゃるはずだからです。
同じ関東圏でも、横浜スタジアムは、集客のための施策を次々と打ち、年々ファンを拡大していっています。
このような付加価値を提供する【戦略】を打つことで、ファンも楽しめ、かつ自然と利益が生まれてくるのではないでしょうか。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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